低温超高圧下の精密計測技術開発による物性基礎研究

摘要

このようにBridgmanは自然界にない低温·高圧分野での技術開発が極めて挑戦的であること，そして，そこでの現象を支配している物理量の測定には其の静水圧性の実現が必要であることを説いている。しかし，自らは挑戦していない。このことから考えると，如何に低温で“静水圧”を発生させることが困難であり，Bridgmanをしても躊躇せざるを得なかったことが推察できる。この解説では著者らが20年前に開発したキュービック·アンビル低温·超高圧発生装置を用いることによって，今では室温から極低温の温度範囲で約20GPaの超高圧まで精確な物性測定技術が確立され，世界に先hじて低温·超高圧下での量子物性研究が格段に進展して来たことを述べる。