FRPの成形技術第6章新成形法-1．脱オートクレーブ成形（低温硬化技術，低温硬化プリプレグ技術）

摘要

炭素繊維強化複合材（CFRP）を代表とする繊維強化複合材は，高比剛性，高比強度などの優れた特性により一般工業製品から航空宇宙分野に至るまで積極的に使用されている．特に近年，高効率な輸送システムを実現するために航空機開発における利用拡大は目ざましく，複合材を構造重量比で50％以上も適用した民間旅客機が生まれていることは周知の事実であろう．この航空機複合材構造の適用拡大を支えた大きな要因の一つは，180deg C硬化プリプレグ材を用いたオートクレーブ成形技術が成熟したことである．設計要求を満たす材料特性を有するCFRPを成形する技術が確立しただけでなく，材料受入れ，製造工程，製品出荷，検査手法まで高度な品質管理方法も確立されたためである．またもう一つの要因は，