チタン部品採用の二輪車と四輪車への展開

摘要

軽量で高い強度をもつチタンは，性能向上につながる内燃機関用部品の材料として，早くから注目されていた。 チタン部品はまずレース用二輪車向けに研究が行われ，適用可能な部品を拡大していった。 しかし,量販車への展開においてはコスト高を伴い，チタン部品の採用が困難であった。 近年の環境問題に関しては，四輪車のみならず二輪車にも厳しい規制が世界的に広がってきており，量販車では低エミッション技術や低燃費技術の要求が高まっている。 しかし従来より低エミッション·低騒音を目的としたエンジンで高出力を達成する事は難しい課題である。 二輪車ではこれらの両立に加え，運動性能の向上や，燃費の低減を損なわないための技術手法として，部品のチタン化は重要である。 長年の課題であったコストも，量販車での用途を目標としたチタン材料開発を活発に進めた事により，適用部品も広がりつつある。