クリープき裂成長開始までの潜伏期間（Incubation time）に及ぼす試験片大きざ効果

摘要

各クリープ変形段階に対応するき裂長さは，試験片のScale effectに敏感である。 主き裂となって成長を開始する前に粒界微視き裂により構成されるクリープ損傷域が形成される。この領域は遷移クリープ域に相当している。 主き裂となって成長するのは，定常あるいは加速クリープ域になってからの場合が多い。クリープき裂成長開始までのIncubation timeとしては，微視き裂の集合体としてのクリープ損傷が形成される領域が適切と考えられる。 したがって，クリープき裂発生の定義は，微視き裂により構成されるクリープ損傷が形成されるクリープ変形段階と関連付けることが合理的と考えられる。