不斉希土類N,N-ジオキシド誘導体を触媒とするマイケル付加反応の立体選択性発現機構の解明

摘要

希土類錯体を触媒とする反応の一つに、図1のマイケル付加反応がある。この反応は、キラル岬－ジオキシド誘導体を配位子として用いることで、高収率、立体選択的に生成物が得られることが知られている。1）この触媒反応は、希土類の種類をSc3＋からY3＋に変えるだけで生成物の立体選択性が逆転するという珍しい特徴を有するが、その機構は未だ明らかにされていない。