1，1-ジハロアルケンと金属ランタンの反応を利用したアルキン合成

摘要

我々はランタノイド金属の中でも0価から3価への酸化還元電位（Ln/Ln~(3+)＝－2．522V）が最も大きい金属ランタンに着し、金属ランタンを直接反応剤として用いる反応の開発を行っている。その結果、アルキルハライドと金属ランタンを直接反応させると、アトムトランスファーに基づく一電子還元によりハロゲン化アルキルからアルキルラジガルの発生が可能となることを見出した（Scbemel）。この反応はアルキルハライドに対して1／3等量の金属ランタンを用いても反応が進行することから、金属ランタンの0価から3価への変化に伴う3電子を有効に利用していると考えられ、従来の金属にはない効率の良い還元反応が可能である。