LiYF_4中の希土類イオン·アクチニドイオンにおける多重項エネルギー準位及びf-d遷移スペクトルの第一原理計算

摘要

固体レーザー·蛍光体などの発光材料には希土類イオンのエネルギー準位間の遷移を利用したものが多く用いられているが、近年、高密度通信·高密度記録、半導体の微細加工などに用いる紫外固体レーザー、DNA解析用蛍光トランスイルミネーターや光触媒による環境浄化製品に用いる紫外蛍光ランプなど、より高エネルギーの発光材料の開発が望まれている。 そこで注目されているのが希土類イオンのf-d遷移であるが、これらに関しては、スペクトルに現れるピークの起源も明確になっていない場合が多い。その理由は、従来、希土類イオンの?遷移の解析に用いられてきた結晶場理論をf-d遷移の解析に適用することが困難なためである。 結晶場理論は半経験的な手法であるため、解析に際してピークの起源に関する仮定を置き、スペクトルを再現するようにパラメーターの値を決定しなければならない。