細骨材の電気抵抗値による吸水率決定方法の適用性評価

摘要

安定した品質のコンクリートを製造するためには，細骨材の吸水率を正確に決定し，表面水率を適正に評価して随時配合修正を行うことが重要である。 吸水率の決定が正確でないと，表面水率の計算結果に変動が生じ，単位水量補正の意味が失われる。 一方，近年の骨材事情の変化により，コンクリート用細骨材として，砕砂やスラグ細骨材などの各種の細骨材を使用する必要が生じている。 これらの人工細骨材は，一般に粒子形状が角張っているか，または極端に球に近いため，JIS A1109（細骨材の密度及び吸水率試験方法）に規定されているフローコーンによる方法（以下，コーン法と略）では，表面乾燥飽水状態（以下，表乾状態と略）の判定が困難な場合があり，吸水率および密度の測定結果に変動が生じやすいという問題がある。 このため，細骨材の新しい吸水率決定方法として，種々の物理·化学的指標に着目した試験方法が検討されてきた。