硫酸ナトリウム溶液中の銅の腐食抑制

摘要

Na2SO4溶液中の銅腐食に関して，種々の濃度の葉酸ナトリウム（グリーン抑制剤）の抑制効果が，15-55°で電位走査法及び電気化学インピーダンス分光法を使用して研究された．走査法のデータ曲線から，葉酸ナトリウムの添加が銅表面への葉酸アニオンの物理的吸着の結果として銅腐食を抑制することが示された．葉酸アニオンは陽極型抑制剤として反応し，抑制率は葉酸アニオン濃度の増加で上昇し，Na2SO4濃度及び温度上昇で減少した．銅表面の葉酸アニオンの吸着はフローリー·ヒギンズ等温線及び動力学モデルに従う．抑制剤の有無による腐食と吸着のプロセスの熱力学パラメータが計算され，検討された．抑制剤の挙動に関する浸漬時間の影響も試験された．