銅合金坂上への銀めっき膜の耐摩耗性に及ぼす硬さの影響およびそのメカニズム解明

摘要

現在、地球環境への意識の高まりとともに、自動車産業は、化石燃料に依存する普通車からプラグインハイブリッド電気自動車（PHEV）と電気自動車（EV）への推進が急速に進められている．その中、電子機器と接続する際の電気接触抵抗を減らすために、車載用のコネクタでは、金（Au）めっきの代替として銀（Ag）めっきの使用が増えている．Agの導電率は金属材科の中で最も高く、また、耐食性もAuに次いで優れている特徴を持っているので、PHEVとEV向けのコネクタ接点用めっきとしては優れている．特に、Agは貴金属であり、一般端子めっき材のリフローSnめっきと比べて摩耗粉が酸化されにくいので、接続信頼性が高い．しかし、Agの硬さは一般的に約80Hvと軟質金属となり、また接点の間に凝着現象が起こりやすいため、耐摩耗性が不十分という重要な課題も存在する．