Cu-Ni-Be合金の77K多軸鍛造中の微視組織発達と機械的性質の変化

摘要

Cu－Be系合金は、実用銅合金中で最も高強度で、数々の優れた特性を有す．特に、高電気伝導性?高比強度特性からバネ材としての用途が多く、電子工業や通信機分野で広く利用されている．実用Cu－Be合金としては、Be含有量約2mass％の高強度タイプと、Be含有量1mass％以下の高電気伝導性タイプがある．また、Be以外にCoを少量添加することで、溶体化処理中の結晶粒成長の抑止、粒界脆化の原因となる粒界反応析出を抑制する．一方で、非常に高価な希少金属BeとCoの含有率を下げ、“比較的”安価なNiを多く添加したCu－Ni-Be合金がある．Ni添加によって、合金価格の抑制の他、熱的安定性の向上等が期待できる．