金の糸と種々のレーザー?高周波機器との相互作用における短期間実験的検討

摘要

【目的】「金の糸」とレーザー機器，高周波機器との相互作用にっきラットによる実験的検討を行った。【材料·方法】ラット背部に「金の糸」を挿入，レーザー機器，高周波機器として，Qスィッチ ルビーレーザー，近赤外線治療器，高周波治療器，高周波手術器を照射した。【結果】1本の「金の糸」に対し，明らかな反応を示したのは高周波手術器のMonopolar型電極 のみであり，挿入部位でのMonopolar型電極の使用は注意すべきである。【考察】金属と高周波機器との相互作用は，本実験結果以外にも報告されている。高周波治療器 のうち誘電加熱を利用したtightening機器では，金属が電極に平行であれば発熱する可能性は低 いが，垂直の場合，複数本や別の金属と揷入された場合，非磁性体でもナノ粒子化した場合には発 熱する可能性がある。さらに，誘導加熱を起こし得るMRIなどの機器では，金属のサイズ，特性， 深さ，電極との位置関係および周囲組織の影響等が開与するため発熱の予測は難しい。体内金属を利用した治療とともに，体内金属の入っている状態での検査および治療の施行にお いては慎重な適応の決定とともに，さらなる実験的検討が必要である。