性差による臨床像の差違ー膵漿液性囊胞腫瘍（SCN)—

摘要

Serous cystic neoplasms (SCN)の約3/4が女性である。切除例は有症状で腫瘍径も大 きいという特徴があり，大きいものは腫瘍増大率も高いため手術適応として妥当であろうと思 われる。SCNの悪性例はまれであるが，本邦集計で術前正診率は61%であり，鑑別診断困難な 腫瘍であることも考慮する必要がある。SCNの性差による臨床像の相違を示した報告は，性差 がないことも含めてほぼ認めず，今後の課題と思われた。