良性胆管狭窄に対するCovered metallic stentの有用性

摘要

良性胆管狭窄に対する内視鏡的治療は,外科的手術と比較して侵襲が少なく簡便であることから,近年,第一選択として行う施設が増えている.また,その短期成績については比較的良好な評価が得られているが,一方,長期成績についてはまだ十分に明らかになっているとはいえず,治療抵抗例も存在する。自験例29例の検討では,良性胆管狭窄に対する胆道ステント留置による治療成績は概ね良好であったが,慢性膵炎例において治療抵抗例が多かった.こうした治療抵抗例6例に対してcovered metallic stentを使用したところ,比較的良好な治療成績が得られた。covered metallic stent留置は内視鏡的治療に抵抗する良性胆管狭窄例に対する一つの選択枝となりうると考えられた。