特辑：胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)の病態と診療の現状: IPNBの画像による鑑別診断

摘要

要約：胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of the bile duct: IPNB)は2010年WHO分類に概念が記載された疾患である。従来の胆管内発育型肝内胆管癌，さらに卵巣間質をもたない胆管囊胞腺腫/癌として報告されてきた病変，胆管乳頭腫（症)，乳頭型胆道癌の一部が含まれる。肝内大型胆管，肝門部領域胆管，遠位胆管のいずれにも発生し，肝内では囊胞形成する場合が多い。画像診断学的には铸型/紡錘型IPNBは胆管癌,転移性肝腫瘍などと，囊胞形成型IPNBは肝粘液性嚢胞性腫瘍（mucinous cystic neoplasm : MCN),胆管周囲囊胞，出血性囊胞，炎症性囊胞（ェキノコツカスなどの寄生虫感染，膿瘍）などの囊胞性腫瘍と の鑑別が重要となる。本稿ではIPNBに特徴的な画像所見を中心に説明し，鑑別疾患.鑑別点を交えて説明する。