特異的漢字書字障害児の認知能力に関する神経生理学的および神経心理学的発達

摘要

学習障害児の障害に関する研究は画像診断学的解析，神経心理学的または認知神経心理学的分析およひ神経生理学的解析などが行われている．しかし，はとhどの報告は一時点のみにての解析である。 また，一般的には一つの手法を用いることが多いが複数の指標を用いて総合的に症状を分析した報告は少ない．本報告でほ，学習障害児の2時点間の発達経過を観察した点，および神経心理学的手法と事象関連電位等誘発電位を用いた神経生理学的手法による複数の客観的指標を用いた点がこれまでの報告と異なる．視覚的認知機能障害や図形の想起障害が基盤となり漢字書字障害を示した1例について，特異的に障害された視覚認知機能と障害されていない聴覚認知機能とに分けて2年間における発達経過について検討したので報告する．