医療行為に伴い排出される固体状放射性廃棄物における放射能減衰の実測調査

摘要

医療行為に伴い排出される放射性廃棄物をある一定期間保管し，その放射能がバックグラウンドレベル（以下BGL）に達したことを確認すれば一般廃棄物として処理できる可能性を追求するため，複数の施設において実測調査を行った．1週間の放射性廃棄物を半減期の長短に従い回収梱包し，梱包直後より経時的に線量率を測定した．早いものでは10半減期にてBGLに達したが，20半減期を過ぎても~(99)mTcや~(123)Iを含む短半減期グループでは19％，~(67)Gaや~(201)T1を含む中半減期グループでは8％がBGLに達しなかった．BGLに達するのが遅れる原因として，梱包後早期の線量率や梱包物重量がある程度関連するものの，半減期のより長い核種の混入の影響が強いと推定された．放射性廃棄物を一般の廃棄物として処理しうるためには，半減期の長い核種を混入させないように心がけ，実測によりBGLに達するのを充分確認することが必要である．