胸部SPECT画像とX線CT画像のボリューム情報を用いた位置合わせ

摘要

機能画像であるSPECT画像と，形態画像であるX線CT画像やMR画像を統合することで，画像診断の精度，定量性を上げる試みがなされている．われわれは，胸部のSPECT画像とX線CT画像について，特別なフレームを用いることなく，自動的に位置合わせする方式を開発した．本方式は，SPECT画像の吸収補正を目的として同時撮影されるトランスミッションCT画像が，X線CT画像と物理的類似性を有することに着目し，肺野を除く体躯領域の三次元的な重なりを指標として，画像間の座標変換行列を最適化手法により自動的に求めるものである．ファントムと臨床画像を用いた評価により，再現性の良い位置合わせが可能であることを確認した．SPECT画像とX線CT画像とを再現性よく位置合わせすることが可能となり，診断や治療の精度向上に応用可能である．