~(99m)Tc-HSADを用いた出血シンチグラフィが出血部位の同定に有用であった回腸capillary hemangiomaの1例

摘要

症例は, 9歳の女児で,入院時に高度の貧血を認めた.消化管出血を疑い,各検査が施行されたが,明らかな出血部位を同定できなかった.しかし,下血後,すぐに施行した出血シンチグラフィで,回腸終末部に血管外漏出を認めた.そのあと腹部血管造影を施行したが,明らかな血管外漏出は認められなかった.患者の状態が悪化したため,出血シンチグラフィの陽性所見をもとに,開腹手術を行った.手術で,出血シンチグラフィの所見と一致した部位に, capillary hemangiomaからの静脈性出血を確認した.~(99m)Tc-human serum albumin-diethylenetriaminepenta-acetic acid (~(99m)Tc-HSAD)を用いた出血シンチグラフィが,出血部位の同定に有用であった稀な回腸capillary hemangiomaの1例について報告した.