PET/SPECTによるアルツハイマー病の診断を目的とした臨床試験

摘要

高齢化社会の進展に伴い認知症の増加は深刻な問題であり、その中でもっとも頻度の高いアルツハイマー病（AD）の制圧は社会的要請である。 ADでは症状発現の10年以上前から、老人斑などの病理学的変化が生じているとされ、根本的治療法の開発とともに今後は出来る限り早期にADを診断して治療を開始することが必要となる。 ADの診断の基本はNINCDS－ADRDAなどの臨床診断基準に基づく診断であるが、ADの病初期とくに軽度認知障害（MCI：mild cognitiveimpairment）の段階では臨床診断基準を満たさない。