消化管疾患：診断と鑑別の進め方大腸漬瘍性病変の診断と鑑別縦走潰瘍と輪状漬瘍の内視鏡的鑑別診断

摘要

1990年に渡辺ら は炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ； IBD)の肉眼的鑑別方法について，まず6群の基本肉 眼型(縦走潰瘍型,②輪状漬瘍型，円.卵円潰瘍型，玉石状所見?炎症性ポリ一プ型，浮腫?充血-出血?びらh型，(DM 瘍様多発隆起型）のどれに属するかを分類するとした― (Table1).次いで基本病変の肉眼的特徴，すなわち基本病 変の辺縁の性状と深さ，周囲粘膜の発赤や浮腫の有無や炎 症性ポリープの有無，などで鑑別するとしている.最終的に， この2つに組織学的所見を加えることでIBDの鑑別診断は7 確実になると述べている.基本肉眼型を6つに分類したが，これらの肉眼型力ま重複する場合は，原則として上の順位の肉眼 型に含めるとしている.