亜急性発症後に急速に進行した画像所見上UIP病変をもたない関節リウマチに伴う間質性肺炎の1例

摘要

症例は78歳,女性。2006年に関節リウマチ(RA)と診断され,内服薬で状態は安定していた。経過中胸部CTで特発性器質化肺炎（COP)パターンをとつた多発性の陰影が出現した。その後体動時の呼吸苦が悪化したため当院を受診した。以前の画像と比較検討したところUIP病変をもたずに亜急性に発症し，その後急速進行したRAに伴う間質性肺炎（RA-ILD)が疑われた。ステロイドパルス後に免疫抑制薬による治療を施行したが呼吸不全は進行し永眠された。本症例は画像所見上でUIP病変を認めていない。UIP病変をもたずに亜急性発症後に急速進行したRA-ILDの報告例は少なぐ，また経過における肺の画像所見も珍しいパターンを呈していたので貴重な症例と考えられた。