逆流性食道炎の長期観察例

摘要

逆流性食道炎の自然史に関する報告は少ない。今回我々は内視鏡にて逆流性食道炎と診断され，長期観察を行った92例の自然経過についてretrospectiveに検討を行った。 1986年1月より2000年12月までの15年間で逆流性食道炎と診断され，3年以上，3回以上の内視鏡検査がなされた92例（男性69例；平均年齢56．3歳，女性23例；平均年齢62．8歳，全体92例；平均年齢57．9歳）を対象とした。 逆流性食道炎の診断はロサンゼルス分類に従ったが，経過中に軽快した食道炎についてはgradeOとした。 胃切除後，胃痛および食道癌併存，幽門狭窄，急性胃粘膜病変，カンジダ食道炎，マロリーワイス症候群は除外した。