クアゼパムとパロキセチンの併用が有効であった激越性うつ病の1例

摘要

症例は39歳女性で，不眠と強い不安·焦燥感，夜間の衝動行為を伴う激越性うつ病患者である。うつ病に対してパロキセチン20mg，不眠に対してニトラゼパム10mgで治療を開始した。 治療開始8日目にパロキセチンを30mgに増量したところ，17日目には抑うつ気分，不安·焦燥感がかなり改善した。この頃より日中の眠気が出現したため，ニトラゼパムをロルメタゼパム1mgに変更した。24日目，中途覚醒の出現によりロルメタゼパムをクアゼパム15mgに変更。31日目に軽度の日中の眠気が出現したため，クアゼパムを7.5mgに減量した。 その後，睡眠状態は良好で日中の眠気が消失し，不安·焦燥感も改善した。本症例においてクアゼパムとパロキセチンの併用は，激越性うつ病の治療に有用であると考えられた。