1996年の岐阜大学医学部産科婦人科における細菌感染症の原因菌と静注用抗菌薬の使用状況

摘要

1995年度の岐阜大学医学部産科婦人科における細菌感染症の原因菌と抗菌薬の使用状況を調査した。産科婦人科領域の細菌感染症の主要原因菌は,好気性菌では,Enterococcus faecalis,Staphylococcus epidermidis,Streptococcus agalactiae ,Staphylococcus aureus,Escherichia coli,Klebsiella pneumoniae,Pseudomonas aeruginosa,嫌気性菌では,Peptostreptococcus species,Bacteroides fragilis,Prevotella bivia,Fusobacterium speciesであった。 1996年の静注用抗菌薬の使用状況をみると,第4世代セフェム薬,クリンダマイシン,カルバペネム薬の使用頻度が高かったが,これは産婦人科では頻度の高い嫌気性菌感染症を意識した結果であると考えられた。