反抗挑戦性障害（ODD)を伴った注意欠如?多動性障害（ADHD)に対しatomoxetlne (ストラテラ)による薬物療法が著効した1例

摘要

注意欠如?多動性障害（以下ADHD)は， 年齢や発達に不釣合いな不注意さ（注意の持 続が不可能なこと）や多動性（全般的な行動 面)，衝動性（コントロール困難）を特徵とす る発達障害で，日常生活や学習に支障を来す 疾患概念である。有病率は学童期の3-7% であり，一般的に女児より男児に多く，その 割合は2.5:1から5.6:1の間と報告されてい る。また，学童児に最も頻度が高く，年を経 るに従って低くなる。特に，精神科病院に紹 介されてくるパターンで多いのは，学校のよ うな構造化された場所での破壊的行動，故意 にルールを破る，社会規範を破るほどの強い 暴力により家族や教師などが困り果てて相談 してくる外在化障害と，不登校，不安障害，物 質乱用，気分障害などの内在化障害である。