第l度酒（查皮）に合併した酒（查皮）様皮膚炎に対する黄連解毒湯とクラリスロマイシンの使用経験

摘要

第l度酒（查皮）に合併した脂漏性皮膚炎に対し，3カ月間にわたりプロピオン酸アルクロメタゾン軟膏を使用した結果，酒（查皮）様皮膚炎を発症した女性例を経験した。 臨床症状は典型であり，三焦火毒熟盛と弁証して黄連解毒湯とクラリスロマイシン（以下CAM）の併用を行った。その結果，臨床症状の改善に有効であり，CAMの減量，中止の後も黄連解毒湯の内服のみで発疹の再燃もなく経過良好で，第Ⅰ度酒（查皮）の毛細血管拡張症にも有効であると判断した。自験例の様に，三焦火毒熟盛と呼ばれる強い熟証を持ち，併せて毛細血管拡張症を有する症例に対しては，ステロイド外用剤により容易に酒（查皮）様皮膚炎を発症する可能性が高く，その使用は慎重に行うべきである。 また，酒（查皮）様皮膚炎の症例にはこれまでの筆者の報告どおり，両剤併用の有効性が確認された。