ポリカルポフィルカルシウムが有効であった糖尿病性下痢の1例

摘要

糖尿病性下痢は便失禁を伴い易い糖尿病患者のQOLを低下させる難治性の下痢である。 我々は，ポリカルポフィルカルシウム投与により改善がみられた糖尿病性下痢の1例を経験したので報告する。現病歴：前医入院中2004年8月頃より下痢が認められ，糖尿病性下痢の診断で塩酸ロベラミド2mg/dayにて加療されていた。 同年11月1日，糖尿病性壊疽による右下肢切断目的にて当センター整形外科に転院となった。 転院後は塩酸ロベラミドを頓用内服していたが，下痢が頻回（夜間8行，日中2－3行）となり便失禁も認められ，軽快しないため当科紹介受診となった。