ポリスチレンスルホン酸カルシウム顆粒剤(ァーガメイト89.29%顆粒5.6g)の製剤学的特長

摘要

急性およぴ慢性腎不全に伴う高カリウム血症の改善薬であるポリスチレンスルホン酸力ルシゥム（PS-Ca)顆粒剤（ァーガメイト89.29%顆粒5.6g)について，製剤学的評価，生物学的同等性試験(in vitroカリウム交換容量の測定，ラット病態モデルを用いた薬力学的試験）ならびに日本人健康成人男子を対象とした官能試験を実施した。製剤学的評価では，本剤は滑らかな表面構造をもち，粒子径がおおよそ500-1000muの顆粒剤で，PS-Caおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウム（PS-Na)ドライシロップ剤 に比較して崩壊時間が遅く， PS-Caに起因する湿潤熱を抑制することが確認された。In vitro力リウム交換容量の測定では，PS-Ca散剤と有意な差はなく ，同等であることが確認され，ラット病態モデルを用いた薬力学的試験では，投与48時間後におけるPS-Ca顆粒剤投与群の血清力リウム平均値の90%信頼区間は，PS-Ca散剤投与群の平均値の80-125%の範囲に含まれており，両薬剤の生物学的同等性が確認された。さらに日本人健康成人男子を対象とした官能試験では，全ての被験者において，本剤は水に懸濁しなくても服用できることが確認された。以上より，本剤は，PS-Ca散剤と生物学的に同等であり，製剤学的工夫により水にあらかじめ懸濁しなくてもそのまま服用できる服用性?利便性に優れた製剤であると考えられた。