OAB患者における抗コリン英治療時の口内乾燥感に関する検討

摘要

抗コリン薬は過活動膀胱(overactive bladder : OAB)治療の第一選択薬であるが,OAB症状の改善と同時に口内乾燥が出現することにより投与継続率や治療満足度が低下することが知られている.今回イミダフェナシン,コハク酸ソリフェナシン,酒石酸トルテロジンおよびプロピベリン塩酸塩を用いて, OAB症状の改善度,口内乾燥感の変動および薬剤満足度に関する検討を行った.その結果, OAB症状の改善度や薬剤満足度はいずれの薬剤でも得られたものの,口内乾燥感の上昇は抗コリン薬間で異なり,イミダフェナシンおよび酒石酸トルテロジンの変動は少なかった. OAB治療における抗コリン薬の使用にあたっては,薬剤特性や患者背景を考慮した薬剤選択と投与量の選択が必要である.