Crystal-Storing histiocytosisを伴った孤立性肺MALTリンパ腫

摘要

結晶蓄積性組織球症（crystal-storing histiocytosis, CSH)は組織球による結晶貪食を特徴とする稀な病態であ リ，高率に血液悪性疾患を合併すると報告されている。症例は69歳男性。左腎盂がh術後4年目のCT検査に て左肺下葉に小節影を指摘され，2年間の画像フォローで増大傾向にあつたため原発性肺がhを疑われ肺葉 切除術が実施された。病理学的所見からCSHを伴う肺mucosa-associated lymphoid tissue (MALT)リンパ腫 と診断され，病期はstage IAEであった。病変部切除後のMALTリンパ腫として無治療で経過観察しているが 再発なく経過している。CSHは血液悪性疾患の初発症状となりうる病態であリ，注意深い観察と検索が必要で ある。