成人ALL患者には第一寛解期で造血幹細胞移植を行うべきである

摘要

これまで，成人の急性リンパ性白血病（acute lymphoblastic leukemia, ALL)の第一寛解期（CR1)に対す る治療法として化学療法か同種造血幹細胞移植（同種移 植）を行うべきか明確な結論は出ていない。成人ALL に対する同種移植の適応はリスク因子に基づいた予後予 測によって判断され，高リスク群でCR1における同種 移植が推奨されている。一方，標準リスクのCR1にお いて化学療法か同種移植を行うかについて未だ議論が残 るが，従来の化学療法は同種移植に比較して再発率が高 い。また，近年の小児型化学療法の応用で成績の向上が 期待されているが，成人には小児型と同等の化学療法が 行えないことが多く，結果として再発をもたらす。