小児造血幹細胞移植におけるシクロスポリン3時間点滴静注法とC_3モニタリングの有用性についての検討

摘要

小児造血幹細胞移植においてシクロスポリン（CsA）3時間点滴静注法とC3モニタリングを行い，その体内動態とモニタリング法を検討した。 症例は臍帯血移植5例と血縁者間同種骨髄移植1例の計6例。 CsAl．5mg/kgを3時間点滴（1E12回）で移植前日より開始した。 目標ピーク値（C3）が800～1000ng/mlとなるように投与量をコントロールした0血中CsA濃度は，点滴開始3時間後（C3）にピークを認め，12時間後（C12）には前値（C0）に回復していた。AUC_(0-12)とC_3値（r＝OL90）に強い相関を認めた。 急性GVHD grade llの症例は2例あったが，1例は無治療で，1例はprednisoJoneの短期投与で軽快した。 その他，重篤な合併症は認めなかった。 小児造血幹細胞移植において，CsA3時間点滴静注法にC3モニタリングを用いることで，適切な血中CsA濃度の調節が可能になると思われる。