チロシンキナーゼ阻害剤の副作用対策

摘要

分子生物学と臨床研究の進歩により非小細胞肺癌における個別化治療は大きく進歩してきた．進行期肺癌に対しては薬物療法が第一選択であるが，ドライバー遺伝子変異を有する症例に対する分子標的薬は劇的な効果をもたらすことが多く，遺伝子検査をベースとした個別化治療の流れは拡大しつづけている．現在，肺癌に適応を有する分子標的薬として，EGFRチロシンキナーゼ阻害剤3剤（Gefitinib，Erlotinib，Afatinib），ALK阻害剤2剤（Crisotinib，Alectinib）がある．本稿ではこれら分子標的薬に特徴的な副作用とその対策について述べる．