21.肺腺癌術後の肺転移に対しニボルマブ治療後に切除し治療効果を判定した1例

摘要

【症例】74歳女性，左上葉肺腺癌T1aN1M0 stageIIAに対し上葉切除後CDDP/VNR4コース施行.術後3年8か月より右S~8，左S~9,10に結節を認め多発肺転移と判断しニボルマブ治療を行った.開始後7か月で右S~8の結節は縮小，左S~9,10結節の増大を認め，確定診断と今後の治療方針決定のため左S~10結節の部分切除を施行した.切除標本は浸潤性粘液産生性腺癌を認め，転移再発もしくは異時性多発肺癌が考えられた.腫瘍細胞周囲と間質にはリンパ球浸潤がみられ，CD4+細胞がCD8+細胞に比べ圧倒的に優勢であった.ニボルマブ治療後に効果判定のための組織を採取した貴重な1例と考え報告する.