80歳以上高齢者肺癌の外科治療成績

摘要

目的.80歳以上高齢者肺癌の外科治療成績につき検討を行った.方法.包括的呼吸リハビリテーシヨンを導入し，2007年1月より2014年12月までに80歳以上高齢者肺癌31症例に手術を施行した.外科治療成績につき検討を行った.結果.手術術式は肺部分切除（部切）18例，肺葉切除（葉切）12例，区域切除（区切）1例であった.合併症の発生は6例（19.4%)に認め，手術関連死亡はなく，5年生存率55.5%,生存期間中央値30カ月であった.消極的縮小術群17例（部切16例，区切1例）と葉切群12例の治療成績に有意差は認めなかった.結論.80歳以上の高齢者肺癌においゝて，手術適応と術式の選択を適切に定めれば，外科治療成績は良好な結果を期待できる可能性がある.