喫煙·禁煙に対する喫煙者および医師の認識 喫煙者および医師に対するアンケート調査結果より

摘要

喫煙を巡る環境は日本だけでなく世界でも大きく変わりつつある。WHOは健康に対する最も重要なリスクのひとつとしてタバコを位置づけ，「たばこ規制枠組条約（Framework Convention on Tobacco Control：FCTC）」を採択し，2005年2月に発効した。この条約は公衆衛生分野では初の国際条約で，タバコの流行とタバコ煙への曝露を減少させるための包括的な対策を各国政府に求めるものであり，わが国もこの条約を批准した。 WHOがタバコ規制に乗り出した背景には，喫煙は先進国において疾病の原因の中で防ぐことのできる単一で最大のものであり，禁煙は今日最も確実かつ短期的に大量の重篤な疾病を劇的に減らすことのできる方法1）と考えられるためである。 残念ながら，わが国の喫煙率は低下傾向にあるとはいえ先進国の中では格段に高く，平成17年度国民栄養·健康調査2）によれば，男性の喫煙率は39．3％，女性では11．3％であった。