ドライマウス患者に対するプロ夕ミン分解ぺプチR配合の口腔内溶解シ一ト（DMXシ一ト)の臨床評価

摘要

本研究では，ドライマウス症状を自覚する被験者に対し，プロタミン分解ペプチド配合の口腔内溶解シートを使用させ，その口腔乾燥症状の改善に対する効果を検討することを目的とした.対象は口腔乾燥を主訴として当院に来院している45歳から76歳の患者25名（亥性25名' 平均年齢59.7歳）とした。口腔内溶解シ一トを口蓋中央部に貼付させ'貼付前および貼付20 分後の自覚症状，安静時唾液量，口腔内保湿度の変化を調査した。また'1日3枚を目安とし て4週間使用させる試験を行い'自覚症状'安静時唾液量'口腔内保湿度'口腔内症状の試験 前後の変化を調査'合わせて，試験前後における口腔内の総菌数および歯周病関連菌数の変 化も調査した。口腔内溶解シ一トを貼付することで安静時唾液量'口腔内保湿度は有意に増加 し（p<0.01),本品使用による唾液分泌の促進が確認された。本品を4週間継続的に貼付する ことによる自覚症状評価（VAS)では口腔乾燥感，唾液のねばつき感'口臭不安感において有 意な改善（p<0.05)が確認された。また試験前後で口腔内総菌数の有意な低減（P<0.05)， および歯周病関連菌数(P. gingivalis, T. forsythensis)においても有意な低減（p < 0.05)が 認められた。本品の継続使用により口腔乾燥症状の改善が期待され，さらに歯周病に有効である可能性が示唆された。