破骨細胞活性化と人為的制御

摘要

関節リウマチ(RA)は,自己免疫性の慢性炎症性疾患であり,増殖した滑膜が骨へ侵入し,多発性の関節破壊をもたらす.薬剤の進歩により,捧痛や炎症に関してはコントロール可能な症例が増えてきたが,現在のところ骨破壊を確実に予防できる治療法は確立していない. Disease modifyingantirheumatic drugs (DMARDs)の中には,骨破壊抑制効果をもつものもあり,近年では,サイトカインを標的とした生物製剤が臨床応用され,炎症抑制のみならず骨破壊抑制効果をもつことが注目を集めている.このように,これからの抗リウマチ其の評価や開発には骨破壊のメカニズムを理解することが重要となってきている.