4．ウイルス性食中毒とその検査法

摘要

食品を介するウイルス性食中毒の病原体として，最も知られるウイルスはノロウイルスてある。 [平成17年病因物質別 食中毒発生状況]（速報値）によると，ノロウイルスによる食中毒事例は，事件数でカンピロバクタ一に次ぎ，患者数は食中毒の原因物質の中て最も多いことが判明している。 ノロウイルス以外のウイルス性食中毒は，その他のウイルスに分類され，ロタウイルス，A型肝炎ウイルスやE型肝炎ウイルスといった魚介·食肉類·野菜類を介したウイルス性食中毒事例の発生が報告されている。食中毒起因ウイルスの多くは培養か困難なため，診断には電子顕微鏡による検査か用いられてきた。しかしなから，遺伝子検査手法の発展によりPCR法,Real－time PCR法およひ塩基配列解析法の手法か，ウイルス性食中毒検査および疫学的な解析に導入され，効果を挙げてきている。この項ではそれらの概要について説明したい。