生活習慣病予防のための健康指導の原則

摘要

当センターー受診者の集計から，生活習慣病関連の検査データは基準範囲を逸脱する率が高いが，その後再検査や精密検査を受診する率は低かった。 総合健診における指導は，健診デー一夕をもとに行われるが，その際できれば個人の基準範囲をもとに，集団の基準範囲内であっても検査値の変動があったときに生活習慣改善の勧告を行うとよい。個人の基準範囲が得られていない場合には，集団の基準範囲内であるが基準範囲上限近くの高値の受診者に対して行うことによって，基準範囲からの逸脱を防ぐことができると考えられる。実際の指導にあたっては，行動変容段階尺度をもとに受診者の準備段階を判断し，受診者がその行動変容をどの程度重要だと思っているか，行動変容にどの程度自信があるかという，受診者自身の気持ちを良く理解することが重要であり，そのために種々の技法を利用すると良い。