ヒト肝細胞キメラマウスにおける移植肝細胞増殖法の開発-ヒト肝細胞を用いた人工肝臓への応用に向けて－

摘要

近年，移植医療の定着に伴い，ドナー不足が深刻な問題になっている。 欧米では年間約17，000人が肝臓移植を得概しており，そのうち約5，000例のみが肝臓移植を受けられるというのが現状である。 したがって，臓器移植に代わる有効な治療法の開発とその臨床応用が必要であると考えられている。ドナー不足を克服するために，肝臓移植に代わり肝細胞移植や，ヒト肝細胞を用いたハイブリッド型人工肝臓にも大きな期待が寄せられており，基礎研究に基づいた臨床応用がなされつつある。