細胞内Ca~(2+)振動発生装置としてのIP_3レセプター一発生分化の機能解明から創薬にむけて一

摘要

カルシウム（Ca~(2+)）は地核を構成する全元素の3％を占め金属元素では，アルミニウム、ナトリウム，に次いで3番目に豊富なものである。 Ca~(2+)は天然水に比較的大量に含まれている。 現在，このCa~(2+)は我々の体の重要なセカンドメッセンジャーとして使われている。 細胞内には極微量のCa~(2+)イオンしかないが，外界からの刺激に応じて、細胞の中にあるCa~(2+)イオンが袋から放出される。 これが細胞の中のCa~(2+)濃度の波となり振動を作っている。この振動が生命現象にかかわっていることが明らかになってきた.　 しかも、このCa~(2+)振動をおこす分子（IP_3 レセプターと言うCa~(2+)チャネル）は、従来の細胞膜にあるCa~(2+)チャネルに比べて常識を覆すようなユニークな性質を示していた。 IP_3レセプターにより引き起こされるCa~(2+)の振動が生命現象の始まりである授精を引き起こすこと，さらに、細胞分裂，神経突起の伸展、脳における学習などの機能が多彩な生命現象に関わっていることを紹介する。