血管平滑筋Ca~(2+)感受性増強の細胞内シグナル伝達におけるFynチロシンキナ-ゼおよび細胞膜ラフトの重要性

摘要

血管平滑筋の異常収縮は,虚血性心疾患やくも膜下出血後の脳血管撃縮などの疾患の病態生理に重要な役割を果たしている.この異常収縮の分子機構として,Rhoキナ-ゼによるCa~(2+)-sensitizationが重要である事が知られているが,我々はこれまでに, Rhoキナ-ゼの上流の,血管平滑筋Ca~(2+)-sensitizationのシグナル分子として,スフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)を同定し,更に, SPCが, Srcファミリーテロシンキナ-ゼ(Src-TK)を介して, Rhoキナ-ゼを活性化する事を明らかにした.