腱膜性眼瞼下垂症患者における 挙筋腱膜肥厚部に関する検討

摘要

上眼瞼挙筋はWhitnaU靭帯の尾側で挙筋 腱膜に変わる。腱膜は，瞼板の上方で折れ返つ て眼窩隔膜になる表層，眼輪筋を貫き皮下に 付着する中間層，瞼板前面に付着する深層に 分けられる。腱膜性眼瞼下垂症に対する松 尾法は，伸展?菲薄化した腱膜深層と中間 層の代わりに腱膜表層である眼窩隔膜を瞼板 に縫合固定することで，眼瞼の解剖学的構造 を修復するとともに，ミュラー筋にかかる負 荷を軽減する方法である。このため「眼窩隔 膜を利用した眼瞼下垂症手術」と命名されて いる。しかし，腱膜表層の近位部は白く光沢 があり肥厚しているが，遠位部では菲薄化し ている。瞼板に縫合固定するには腱膜の肥厚 部分が適している。