Bentall+冠状動脈バイパス術後遠隔期に 人工血管吻合部離開により再手術となった 大動脈炎症候群の1例

摘要

はじめにコンポジットグラフトを用いた大動脈基部置換術は,1968年にBentall原法が報 告されて以来約50年間，種々の変法を経て今日 にいたり，安定した長期成績が報告されてい る.その中で術後遠隔期再手術症例の報告も 散見され，主な原因としては人工弁機能不全，人 ェ血管感染または人工弁感染（PVE)，人工血管 吻合部離開（graft detachment)に伴う仮性動 脈瘤（PA)形成などがあげられる.このう ち，graft detachment は大動脈炎症候群など， 血管壁の脆弱性を示す疾患群において問題となる ことが多い.われわれは，Bentall手術に冠状 動脈バイパス術（CABG)を同時施行した大動脈 炎症候群症例の遠隔期再手術を経験したので，文 献的考察を加えて報告する.