Checkerboard plateを用いた多剤耐性緑膿菌に対するaztreonamとァミノグリコシド系抗菌薬の併用効果の検討

摘要

多剤耐性緑膿菌（MDRP)感染症は治療に難渋し， しばしば予後不良の転帰をとる.MDRPの治療薬として海外で用いられる静注用コリスチンは日本では認可されていない.そこで相乗効果を期待した薬剤併用療法が模索されている.当院では，敗血症に先立って監視培養でMDRPが検出された場合は，Break-point Checkerboard Plate (BCプレート）を用いて薬剤併用効果を予測しており，感染症の早期から適切な抗菌薬治療を行い，臨床上も有効であつた症例を経験している.緑膿菌の高度耐性には,メタ口 betaラタタマ一ゼの産生が関与していることが多いとされており，我が国ではプラスミド上のbla_(IMP)MP遺伝子にコードされたIMPの報告が多い. IMP型ではモノバクタム系抗菌薬に感受性を残していることが多く,治療の中心になりうると考えられ，これに相乗効果を期待してもう1剤の併用が治療の選択肢として考えられる.当院におけるMDRPのBCプレート上での検討において-も aztreonam (AZT)とamikacin (AMK)の併用が有効である株が多く ，臨床上も併用療法が奏功した1 例を報告した.