約1年前から右胸部圧迫感があるが，検診目的で胸部X線撮影を受けた

摘要

胸部Ⅹ線正面像では，右中下肺野にかけて縦隔側より突出する腫瘤影が認められ，その腫瘤影に重なって肺門影が透見できるので（hilum overlay sign），この腫瘤影は心陰影の拡大によるものでなく，前縦隔腫瘤によるものと考えられる。 縦隔構造の偏位はみられず，縦隔より右胸腔内に垂れ下がるような形状を呈していることから，柔らかい腫瘤と考えられる。 また腫瘤の大きさの割に，血管影が容易に透見できることから，Ⅹ線透過性は比較的高いと考えられ，脂肪を含む腫瘍が疑われる。