半年前から乾性咳嗽,3カ月前から労作時呼吸困難，1カ月前より症状悪化

摘要

44歳，男性。 半年前から乾性咳嗽があり，3力月前より労作時呼吸困難をきたすようになったが，放置していた。 1カ月前より咳嗽の増強あり，安静時にも呼吸困難がみられるようになったため某院に入院となった。 胸部X線写真にて異常影がみられ，ステロイドおよび抗生物質の投与が行われたが，陰影の軽快が得られないため当科に転院となった。 血液検査では白血球数が11フ00，好中球が76．5％と増加していたが，CRPは陰性で血沈亢進もみられなかった。 CEAは43．9ng/ml,KL－6は10，500U/mlと高値を示していた。 酸素3 I/min吸入下でのPaO_2は76．4mmHg，PaCO_2は41．3mmHgと低酸素血症の状態であったが，本人の自覚症状は強くなく，長時間酸素吸入をしないでいると呼吸困難が出現するという程度であった。