前庭神経鞘腫における3D-FIESTAでの患側前庭信号強度の低下組織学的非診断確定例に対する検討

摘要

前庭神経鞘腫では脳脊髄液の蛋白濃度が上昇し， しばしば交通性水頭症の原因となる。また，外科的 摘出標本を用いた検討によれば，内耳外リンパ液の 蛋白濃度も上昇し，かつ髄膜腫よりも高値を示すこと が知られている。MR脳槽撮像は，高い空間分解能と脳脊髄液-神経コントラストを有し，脳槽内の脳神経，腫瘍性病 変などに対する詳細な形態学的評価が可能である。 さらに，MR脳槽撮像の一つである3D-constmctive interference in steady state (CISS)では，高蛋白， 高浸透圧の内耳内リンパ液が低信号を呈するとの報 告があり，MR脳槽撮像が前庭神経鞘腫における 脳脊髄液，内耳リンパ液の蛋白濃度上昇を検出でき る可能性がある。